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内容証明の効果的な書き方・出し方、内容証明を出す状況、受け取ったとき、電子内容証明など具体例とともにやさしく、丁寧に解説する。
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内容証明とは難しいもの、普通使わないものという印象は誤りです。
内容証明は、トラブルの特効薬であり、誰でも簡単に入手できる市販薬でもあると思ってください。
トラブルがなぜ起こるのかというと、曖昧な口約束だけで日常生活を過ごしているからです。また、トラブルがなぜ泥沼化するかというと、いざとなったら弁護士が助けてくれるとか、裁判官はわかってくれるという幻想を抱いているからです。
日本人は特に、自分の意志をはっきり相手に伝えない傾向があります。あうんの呼吸でわかってくれる、話せばわかる、という意識です。しかし、肝心な場面で自分の意志をはっきり伝えていないと、自分のホンネと相手のホンネがすれ違ってしまうことがあります。このすれ違いがトラブルの芽になります。
また、トラブルが起こっても、自分の言っていることが正しいんだから、弁護士や裁判官はきっと自分の味方をしてくれると思いがちです。でも、弁護士も裁判官もあなたと違って第三者です。第三者とすれば、何か客観的に説得力のある証拠がなければ、あなたの言っていることが正しいかどうかはわかりません。口約束で曖昧なまま生じたトラブルに、あなたの言い分を支える証拠が何もなければ、あなたに味方してくれるとは限らないのです。
このようなトラブルの芽を摘むために、また、トラブルが泥沼化しないようにするために、あなた自身でできる重要な作業は、約束を書類の形にしておくことです。そして、専門家に依頼しなくてもあなた自身でつくることができる最高の書類が、内容証明なのです。
本書は、
1 難しい専門用語はできるだけ使わずに、日常用語で楽しく内容証明を説明する。
2 内容証明の書き方だけにとどまらず、日常生活で起こりがちなトラブルについて、その法律的な解決方法や予防策まで、弁護士のノウハウを公開する。
3 辞典的に事例を網羅するのではなく、あえてサンプル数を絞り込み、解説を充実させることで、弁護士が書くような効果的な内容証明を自分で考えて書けるようにする。
こんなコンセプトのもとに、書かれています。
ですから、本書は、必要なときに必要な部分だけ辞典のように参照してもらいたくはないのです。
最初から最後まで、まずはひととおり読んでみてください。読み終わったときには、あなた自身、内容証明は難しいものだとか、普段使わないものだとか、そんな考えは消えてしまっているに違いありません。そして、どうやったらトラブルに巻き込まれないようにできるか、多少とも自信がつくに違いありません。
ただし、です。ちょっとだけ付け加えさせてください。
内容証明が、いかにトラブルの特効薬であり、誰でも簡単に入手できる市販薬であったとしても、トラブルが深刻なものになりそうな気配が見えたら、すぐさま弁護士のところに相談に行ってください。
私はよく、「弁護士は医者と同じ」と言います。
タダの風邪だと思って市販薬を飲み続けていたら、ますます具合が悪くなってきた。それで、思い切って医者のところに行ったら、悪性の病気で手遅れだった。
こういう経験をしたくなければ、市販薬で治療できないと思ったら、すぐに弁護士のところに行くべきです。我慢して自分で何とかしようとしていると、結局、困難な外科手術が必要だったり、長期の入院が必要だったりして、高額の治療費がかかってしまいます。
トラブルも初期の段階だったら、注射程度のわずかな相談料で済んでしまうのに、泥沼化すると高額の弁護士費用がかかってしまいます。まして手遅れになったら、どんな名弁護士でも手の施しようはありません。
このことさえわかっていれば、トラブルが起こらないようにするために、また、トラブルの最初期の段階で、自分自身で処方する市販薬として、内容証明は大きな威力を発揮するでしょう。また、いざ弁護士に助力を求める段になっても、効果的に書かれた内容証明を持参していけば、きっと依頼された弁護士は、あなたに最大の結果をもたらすための仕事がしやすくなるに違いありません。
本書があなたが無事に日常生活を送り続けるための予防注射になれば幸いです。
(「まえがき」から抜粋)